開催趣旨
昨今、青少年の「理科離れ」や「物理嫌い」が問題となっています。これは我が国が「科学技術創造立国」 を目指す上で、その基盤を危うくする重大問題です。応用物理学会東海支部では、平成10年度より 「リフレッシュ理科教室」を開催)を企画・ 開催し、参加者から好評を得ました。 本企画は、小学校、中学校の教員 に教育現場で利用できる実験や工作を紹介し、現場の理科授業・課外活動に活かして いただくことや小学校、中学校の生徒に実験工作を楽しんでもらう体験学習を通して子供達に理科や最新の科学技術に親しむ 機会を多く作ることを目的としています。具体的には、
理科好きが少ないと言われている小・中学校の先生に理科の面白さを知ってもらうこと
現場の先生方に基礎から最新の科学技術までを知る機会を提供すること
教育現場で利用出来る実験や工作を紹介すること
教育という共通の立場で小・中学校と大学の関係者がお互いに学び合い、協力しあえる環境を作ること
を目的とし、実験工作の体験を通じて小・中学生に科学に対する興味と理解を持ってもらうことを目指しています。 即ち、子供達の身近に科学技術を面白く語ることの出来る人を増やし、また将来の科学技術の担い手である子供達を多く育てることが最終目的です。
また、応用物理学会東海支部では他の諸団体と協力して、一般市民を対象とした科学教育啓発活動である「おもしろ科学教室」を主催しています。
謝辞
リフレッシュ理科教室(東海支部)は応用物理学会,応用物理学 学術・教育奨励基金応用物理学 学術・教育奨励基金の助成とともに,多くの協賛企業をご支援を受けて実施しています。
過去に開催したリフレッシュ理科教室での工作(一部)
■第16回リフレッシュ理科教室 テーマ:「磁石でまわる!はねる!とぶ!楽しい工作」
工作テーマA:「ぎったんばっこん!ふしぎな電磁シーソー」
電磁石のオン・オフによりシーソーが動き続けます。
工作テーマB:「どこまで飛ぶかな?ガウスロケット」
磁石の力でパチンコ玉を跳ね飛ばしロケットを打ち上げます。
工作テーマC:「ひらひらくるくる!メリーゴーランド」
磁石の引力を利用してメリーゴーランドが複雑に回転します。
■第12回リフレッシュ理科教室 テーマ:「不思議な化学の世界」
工作テーマA:「水玉コロコロ」
超はっ水により紙の上を水滴がコロコロころがります。
工作テーマB:「磁石でユラユラ」
電池と磁石でチョウチョがユラユラ羽を動かします。
工作テーマC:「たたいてピカピカ」
圧電素子と発光ダイオードでたたけばピカピカ光ります。
リフレッシュ理科教室の活動が文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞しました
2007年4月17日、平成19年度科学技術分野の文部科学大臣表彰が行われ、「リフレッシュ理科教室事業による青少年理科教育の普及啓発」により、「科学技術賞(理解増進部門)」を受賞しました。
初等中等教育での理科教育の困窮、青少年の理科離れを打開するには、小中学校教員に実験工作を通して理科の楽しさを実感してもらい、理科が生活や将来の日本に必要であることを認識してもらって、 理科好きの教員や児童・生徒を増やすことが重要と考え、「リフレッシュ理科教室」を提案し、長年にわたって実施してきました。
本活動により、地域の教育委員会や教員、先端研究者や大学教員、学会とのネットワークが構築され、教員には先端科学情報や実験教材が、そして児童・生徒には学校の授業で得られない理科実験工作の面白さを味わう機会が提供され、 教育現場のリフレッシュ化と児童・生徒、父母を含む国民の科学啓発に寄与したと認められました。